第233回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2017年1月25日開催

飲み干した「瑞鷹赤酒」、そして「柏庵」の料理


今月は、
熊本から、“熊本酵母”と“赤酒”の『瑞鷹』をお招きし、少しでも地域経済再建に貢献しようと目論みました!

1867年創業の歴史を誇る『瑞鷹』は、熊本の誇りとして地元に愛されてきた酩醸です。
昨年の震災では、川尻蔵が大きく損傷し、製造にも支障がありましたが、
少しずつ日常の商売が再建しつつあるようです。
落ち着きを取り戻したこのタイミングで、震災お見舞いの意味も込め、出品をお願いしました。

吟醸酒を造る上で欠かせない「協会9号酵母」。これは実は、
熊本で生まれた(分離実用化)されたのであり、吟醸酒の聖地としての経緯から
通称“熊本酵母”と呼ばれている訳です。
今では代を継ぎ、熊本酵母と協会9号は同一ではないようですが、
日本酒の技術向上も、この酵母なくしてあり得ませんでした。
どなたも聞いたことのある『香露』の蔵元である「熊本県酒造研究所」が生みの親で、
いわば、熊本県下の酒蔵が共同で運営する“技術開発研究所”と言えます。
歴代「熊本県酒造研究所」の社長は従って、熊本の酒蔵が持ち回りで勤めていて、
現在の社長が『瑞鷹』社長の吉村浩平氏という、関係です。
そんな蔵に、エールを贈るのも意義深いと思います。

『瑞鷹』はまた、
“赤酒”でも有名です。みりんのような調味料として知られますが、赤酒も祝い酒として熊本では飲まれます。
http://www.zuiyo.co.jp/akazake/
ぜひこれも飲んでみたいと、ラインナップに組み入れました!

赤酒は参加人数分購入し(お年玉として配布!)、また有志には別途商品を購入していただき、
合わせて売上31,553円を震災お見舞として、同社にお渡しすることができました。
まあ、蔵元上京の飛行機代で消えてしまう金額ですが、心意気だけでも受け取ってください!


<酒選テーマ>
蔵元を囲む「瑞鷹」 ゲスト:五代目次期蔵元・吉村謙太郎氏

【出品酒】(写真右から)


1)瑞鷹 純米大吟醸 金
2)瑞鷹 純米吟醸 崇薫 20BY
3)瑞鷹 純米吟醸 雄町
4)吟醸酒 吉祥瑞鷹
5)純米酒 菜々 生原酒
6)純米酒 菜々 77%
7)芳醇純米酒 瑞鷹
8)瑞鷹 しぼりたて生原酒 瑞鷹
9)東肥 本伝赤酒

5)純米菜々 生原酒は、蔵元の首かしげを押し切って燗をすると、みごとに上がりました。熱々燗で◎
8)しぼりたて生原も美味しかったです。
そして赤酒! しつこい甘さじゃなく、とても美味しいリキュール! 好きな女性は多いのでは?



 
 今月の会場は そば・割烹「柏庵 
  


さすが柏庵! さっそく赤酒を使い、醤油とだけで炊き上げた「鯖煮」。本当に美味しかった! 赤酒は料理酒として最高ですね。


先付けは左から「胡麻豆腐」、「出汁巻き玉子」、「鶏味噌焼き」

泉州産玉ねぎ
楊枝が刺さっているのは「牡蠣しおかつおチーズのせ」。潮鰹は、西伊豆でしか生産されない希少な塩蔵食品。そして「鯖寿司」


刺身「石垣島の生き鮪」。「寒鰤」「あぶり鰆」「鯛」


揚物「鱚の天婦羅」


焼き物「寒ブリの照焼き」


碗「牡蠣潮汁」  
玉子とじそば
食事は「天ぷらそば」。


最後デザート「酒粕プリン」底には赤酒カラメル!!!

(2017年1月25日水曜日開催)


若き次期蔵元謙太郎氏。とっても前向きで地震なんか吹っ飛ばしてしまうくらい逞しくて、熊本の酒は当分、安泰ですな。またぜひ!




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