第73回《1998年1月より通算167回》 日本酒と料理を楽しむ会
2011年7月22日開催

飲み干した銘酒・稀少酒と 「酒徒庵」の料理



先月は、女性杜氏「今田酒造」さんにお出でいただいたと思ったら、今月は女子サッカー「なでしこジャパン」のワールドカップ優勝という祝事があった、11年の7月でした。

さて今月は「酒徒庵」竹口店長が選ぶ 極小蔵特集 第2弾です。
前回12月は、わずか30石(1升瓶3,000本)醸造の「東鶴酒造」などが登場しました。
普通だったら、一生出会わない銘柄ばかり。そんな酒を今月も集めてみました。


でも2回目ならではの趣向として、極小蔵で味の選択が厳しい中でも、「香り・スッキリ」系、「コク・旨味・芳醇」系、「濃厚・甘み」系の3パターンを選び、順に飲んでいこうという企画です。はたして、われわれにそこまで利き酒できたか? そんな中でも「嘉山」は印象に残りました。

小さな蔵は、跡取りの若手ががんばっているところが多いです。こうした蔵を残し、また次の世代へ『日本酒醸造は夢のある仕事だ』と自信を持って引継げるような社会にしていくことが、
われわれ飲んべえの使命です。

しこたま、飲みましょう!
ついでに、なでしこジャパンの祝杯じゃあ!



<酒選テーマ>
「吟選蔵稀少酒 特集」   酒選:竹口敏樹 酒徒庵 店長

出品酒(右から)

乾杯のお酒
●「裏・雅山流 楓華」低温仕込み無濾過純米生詰(新藤酒造店 650石/ 山形県)
    小さな蔵ながら、いろんなシリーズを商品化している新藤酒造。「香り・スッキリ」系)
    「裏」とは、地元産の酒米を使う「正」に対していい酒米を探し求めて使う、という意味だとか。

●「会津娘」芳醇純米酒(高橋庄作酒造店 約400石/ 福島県)
    「コク・旨味・芳醇」系

●「嘉山」純米吟醸無濾過生原酒(小黒酒造 約200石/ 新潟市)
    「香り・甘味」系

●「上州風まかせ 」辛口純米(今井酒造店/ 群馬県)
    「コク・芳醇・スッキリ」系

●「亀甲花菱」純米吟醸無濾過中取り生原酒雄町(清水酒造 約200石/ 埼玉県騎西町)
    「コク・芳醇・旨味・酸」系

●「信濃鶴」純米無濾過生原酒(長生社 500石/ 長野県駒ケ根市)
    やや微発泡の感じがありながら「コク・旨味・甘味」系

●「羽根屋」本醸造生原酒 番外(富美菊酒造/ 富山市)
    「ガツン・スッキリ」系

●「いなば鶴」純米無濾過生原酒(中川酒造/ 鳥取市)

 今月の会場は 干物と牡蠣料理「酒徒庵
  

冷製「冬瓜と青さのスープ」

先付「なめこ下ろし」

先付「鰻の押し寿司、新生姜」
お造り「唐津沖産 鯵」
先付「稚鮎甘露煮」「鶏のオリーブオイル焼き」

焼物「イワシの丸干し 鱧のゼリー寄せ」

「鶏酒蒸し ずんだ餡」

酢肴「小肌 わかめ」
食事「煮麺」
(2011年7月27日水曜日開催)

竹口店長によれば、06年時点で蔵の数は約1380。万の単位の石高があるのは、上位50蔵程度。逆に下位の800蔵はすべて、500石以下の製造量だそうです。地酒の超有名銘柄「久保田」の朝日酒造は4万石強と別格ですが、ほとんどの地酒蔵は、ぎりぎりの経営が続いているということです。

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