第70回《1998年1月より通算164回》 日本酒と料理を楽しむ会
2011年4月27日開催

飲み干した銘酒・稀少酒と 「岡永倶楽部」の料理



今月は、
地酒ブームをしかけた老舗名店「岡永倶楽部」に皆でお邪魔しました。
ここは、江戸の頃から続く“下り酒”の酒問屋「岡永」の会員制クラブで、「日本名門酒会」のアンテナショップでもあります。
したがって、地酒蔵の最新情報が集り、トレンドを創り出し、ときには、まだ店頭に並ばない新銘柄なども試飲できるという、知る人ぞ知る店です。
酒選は、このクラブになくてはならない店長・村越さんにお願いし、名門酒会の“裏企画”、純米吟醸の無濾過あらばしりを各蔵が競って造り、同じ「無垢之酒」ブランドで出すという酒を、利きました。
さすがどれも、いい造りでありながら、程よく個性が光っていました。

本来は、会員制ですのでふらっとは行けないクラブですが、今回は、藤田雅明さんのご尽力で、この会の開催が可能となりました。


<酒選テーマ>
「無垢之酒」純米吟醸 あらばしり 無濾過 生原酒を利く
  酒選:岡永倶楽部 店長 村越岳夫(SSI認定きき酒師)  企画:藤田雅明

出品酒(右から)すべて“無垢の酒”

●「真鶴」(宮城県・加美町)
●「出羽ノ雪」(山形県・鶴岡市)
●「千代壽」(山形県・寒河江市)
●「開華」(栃木県・佐野市)
●「信濃錦」(長野県・伊那市)
●「北洋」(富山県・魚津市) この中では最も印象に残る旨さでした
●「華鳩」(広島県・呉市)  酸味があって旨かったです
●「日置桜」(鳥取県・鳥取市)
●「豊の秋」(島根県・松江市)
●「五橋」(山口県・岩国市) この会では初の銘柄だと思いますが、いい造りでした

 今月の会場は 「岡永倶楽部」
  中央区日本橋馬喰町1-7-3 1F   電話03-3663-2800
  

前菜「小鯛と菜の花昆布和え」。和食の料亭に来たかのような、繊細な逸品。

「沖漬け」。日本酒の肴を知り尽くした、岡永ならではのひと品。

きんざんじ、「径山寺味噌と胡瓜」とも書くそうです。和歌山の伝統の味、さっぱりと。
なんとお花畑のような「鰹のたたき」。岡永のシェフ、さすがにいい腕しています。
「サクラマスの西京焼」。清流の川魚ヤマメの降海型をサクラマスといいます。実はざっくりとした呼び名で、アマゴの場合もあるようです。鮭鱒の旨味が凝縮された西京焼!

「チキン南蛮」。タルタルソース風でした。
「望来豚のテリーヌ」。北海道石狩の牧場で、ひと月20頭しか出荷されない銘柄豚。肉自体に甘みがあって、料理としても甘く美味しい逸品でした。ちょっと差されている緑は、山葵。甘さと辛味と旨味。村越さんのすすめで、「信濃錦」に合わせて、いただきました。
「イワシのつみれ汁」。奥に赤く添えられているのは「竹八」(佐賀)製の柚子こしょう。こうした椀ものに柚子こしょう、たまりませんな。
締めの食事は「鯖の棒寿司」。ほとんど生に近い、関サバのようなネタでした。満足満足、ごちそうさまでした。
(2011年4月27日水曜日開催)

写真は真面目な顔ですが、結構、饒舌で笑いのセンスのある店長、村越さんです。名門酒会のパーティなども幾度となく切り盛りし、利き酒師のみならず、プロのウエイター/コーディネーターでもありました。料理に合わせた酒選、日本が誇る匠の一人に間違いないです。

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