第68回《1998年1月より通算162回》 日本酒と料理を楽しむ会
2011年2月23日開催

飲み干した銘酒・稀少酒



今月は、
四谷の有名酒店「鈴伝」にお願いして、酒を選んでもらいました。
テーマは、前々回酒徒庵で好評だった極小蔵特集です。
わずかな数量しか作っていない、でもこだわりを持って納得の行く酒づくりをしている蔵を応援します。

また会場は、ちょいと趣向を変え、シェアオフィス「メトロBizセンター」を借りて、ブッフェパーティ形式で行ないます。
実は幹事ふたむらがプロデュースした施設で、
いま東京が抱える「老朽化/狭小オフィスビル」のリモデルの、1つの解としてオープンさせました。
会員制のビジネス向け施設ですが、どなたでも貸し会議室/フリースペースとしてお使いいただけます。
お披露目を兼ねて、会場とさせていただきました。

<酒選テーマ>
極小蔵特集「吟選蔵稀少酒」 酒選:鈴伝(四谷 03-3351-1777)

出品酒(左から)

●「徳次郎 特別純米」
    城陽酒造(京都府城陽市)
    京都の小さな蔵、城陽酒造の一般銘柄は「城陽」。その限定流通銘酒として、注目されてきたのが
    「徳次郎」です。蔵でさえ買えず、もちろんネットでも買えず、東京でも、10軒に満たない極わず
    かな店でしか手に入りません。
    柔らかな口当たり、滑らかで丸みのある米の旨味が特徴。きりっとしまった後味もなお良し。

●「鏡山 特別純米無濾過生原酒」
    小江戸鏡山酒造(川越市仲町)
    歴史ある町、小江戸川越に蔵を構える小江戸鏡山酒造は、わずか400石足らずの小さな蔵。
    実は、明治8年創業の前身は、残念ながら日本酒淘汰の荒波に抗えず、00年廃業余儀なくされました。
    ところが“蔵の町”川越に酒蔵がなくては話しにならないと、地元有志が集り、07年2月に復興を果た
    し蔵なのです。この会でも何度か飲ませていただいた、五十嵐酒造さんも一役買っています。
    いまでは、香味華やかな個性的な酒として、注目を浴びています。南国系のフルーツのようなインパクト
    十分な香り、ジューシーで旨味たっぷりな味わいと鮮やかなキレが自慢。

●「龍神 21BY 斗瓶取り」
    龍神酒造(群馬県館林市)  
    市内唯一の吟醸蔵として純米吟醸を中心に特定名称酒のみを500石製造。機械による作業ではなく、
    伝統の日本酒造りを20代の若手蔵人を中心に行なう。平成18、19酒造年度全国新酒鑑評会金賞
    連続授賞。山田錦以外の部では県内初の金賞受賞。
    その酒米「愛山」を使った純米大吟醸規格。大吟醸らしい華やかで、しなやかな吟香、愛山ならでは
    の深みのある味わいながら、マイルドな後味が絶妙。

●「姿 22BY 純米吟醸無濾過 厳選槽場汲み」山田錦
    飯沼銘醸 (栃木県都賀郡西方町)
    一般銘柄は「杉並木」。その中で600キロタンク1本だけで醸されているのが、吟醸王国栃木の中でも、
    現在人気急上昇中の銘柄「姿」。大吟醸を思わせる程の華麗でエレガントな吟醸香。しなやかな旨味が
    広がり、まさに高級感あふれる極上の味わいが存分に楽しめます。

●「君盃 22BY 特別純米 無濾過生原酒 厳選槽場汲み」
    君盃酒造(くんぱい 静岡市駿河区)  
    創業は明治初め。当時、小坂にあった満寿一酒造(現・静岡市葵区山崎) から枝分かれし、昭和初期に 
    現在の静岡市駿河区手越に移転し、「駿河正宗」という銘柄で市民に親しまれていました。戦時中は、  
    静岡共同醸造組合に統合されましたが、昭和25年に「君盃」という名で復活。唐代の詩人王維の送別の  
    情を歌った詩にちなんだ酒銘です。
    生産量わずか100石程度の、静岡県でも最も小さな蔵。透明感あふれる飲み口ながら、ソフトで柔らか  
    い旨味がふわりと口中にふくらみます。社長自らが醸し、静岡市内の酒店だけで販売する地元に密着蔵。

●「越前岬 21BY 純米生原酒」山田錦70%
    田辺酒造(福井県永平寺町)
    将来有望な20代の若い兄弟が、20年以上に渡って田辺の味を支え続けてきた70歳の名杜氏と小さな蔵
    (推定450石)で丁寧に丹精込めて醸したお酒です。搾りも昔ながらの槽で行い、濾過も最小限に抑えて、
    米の旨みをたっぷりと活かした美酒に仕上がっています。ふくよかで米の旨味たっぷりながら、
    雑味がなくマイルドな印象、まろやかでクリーミーな味わいに包まれています。

●「超・房島屋 22BY 純米無濾過生原酒 厳選槽場汲み」
    所酒造合資会社(岐阜県揖斐川町)
    現在蔵人5人で約500石(所酒造全体で)の造りで福井五百万石をメインに仕込んでいます。杜氏で蔵の
    息子さんである「所優さん」がこの房島屋ブランドを立ち上げ、全国で約40軒の酒屋が房島屋の方向性を
    理解し、応援しています。
    グレープフルーツを彷彿させる酸味と渋味が特徴。ジューシーな旨味とコク、絶妙のキレで飲み応えあり。

●「大正の鶴 21BY 特別純米 無濾過生原酒」
    落酒造場(岡山県北房町)
    150石程の小さな酒蔵「落酒造場」の後継者、落昇さんがたった一人で情熱を込めて酒を醸し、近年注
    目を浴びている地酒「大正の鶴」。岡山県が生んだ酒米『備前朝日』を使用、穏やかな香りで、低温熟
    成により旨味と酸味のバランスが見事。円熟味に溢れ、奥行きのある味わいが楽しめます。

 今月の会場は メトロBizセンター
 新宿区左門町6 小野商ビル5階   電話03-6273-1049  http://www.metrobiz.jp/access
  

今月は、いつもと趣向を変えて、多目的ホールを会場に。食事は、デパ地下からいま最も力のある「柿安ダイニング」の総菜を仕入れました。写真上の「牛肉時雨」など、美味しかったです。こういうのも、たまには良いかも、です。
「生春巻き」や「カキフライ」など、割烹料理、居酒屋料理とは違う肴で、お酒はいかがだったでしょうか。
このほか、カリフォルニアロール風のお寿司や乾きものも用意。お腹は満足していただきました。
(2011年2月23日水曜日開催)



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