第215回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2015年7月22日開催

飲み干した「ゆきくら」「目黒五郎助」、そして「白庵」の料理


今月は、
この会の仲間の中から酒販店「みんなの.蔵」が誕生するのを祝って、特別な蔵元をお呼びしました。

塩谷さんが開業する(本オープン9月予定)のは、日本酒蔵直(蔵元直送)に特化したネット酒販店。
初めは限定した一つのサービスでのスタートですが、それが「周年祝い酒 お届けサービス」。
この会でも飲んできたように、貯蔵技術が進化して、10年熟成でも20年モノでも“飲める”お酒が増えてきました。
そこにヒントを得て、周年祝い行事の乾杯酒として、同じ歳のお酒をそのハレの日にお届けしようというものです。

これに、真っ先に取引を申し出ていただいたのが「玉川酒造」です。

玉川酒造は、寛文13年(1673年)より酒造りを続けています。主要銘柄は「玉風味」。
酒蔵のある新潟県魚沼市は全国有数の豪雪地、本来は厄介者の雪を資源として利活用、
平成元年より万年雪の貯蔵庫「ゆきくら」にて、吟醸酒の貯蔵に挑戦しています。
雪蔵の中は、温度と湿度が一定で常に1〜3℃に保たれます。
それがいいのか、26年経ったお酒もまったく変色もせず、柔らかく濃醇に熟成されているといいます。
明らかに、従来のひねた古酒とは別世界のもの。
これを、今までと違う価値を付加してお客様に飲んでもらいたいと考えていたのが、風間専務。
伝統の造りや味は継承しつつも、創意革新のお酒を発信したい、と。

この思いと、「周年祝い酒 お届けサービス」のコンセプトが出会いました。
いま(15年7月現在)「マクアケ」
https://www.makuake.com/project/sa2so2/
でのプレオープンで、支援販売しているお酒も、玉川酒造の「越後ゆきくら」です。

今回は、「ゆきくら」の希少な熟成ラインナップの利き比べや、
イチオシのブランド「目黒五郎助」などを飲み倒します。
大部分が大吟醸、純米や無濾過生源も多い、贅沢な出品酒を揃えていただきました。

いま変わりつつある日本酒を、造り手とともに利きました。


<酒選テーマ>
蔵元を囲む「玉川酒造」 ゲスト:風間勇人次期当主

【出品酒】(写真左から)

①「スパークリングゆきくら」大吟醸
②「越後ゆきくら」大吟醸原酒 16BY と 20BY
 山田錦を魚沼杜氏の手で丁寧に醸し、雪の中で長期貯蔵した玉川酒造だけの究極熟成酒。
 10年熟成と6年熟成を利き比べしました。熟成酒の概念が 変わる!(26BYは残念ながら宅配事故で飲めず)
③「しぼりたて 玉風味」本醸造原酒
 昨年12月に詰めた生原酒。半年寝かせてやわらかく熟成。
④「守門の雪」にごり酒
 吟醸クラスの米を使用しているので、香り良く甘口でやさしい口当たり。
⑤「十八代 玉風味」吟醸
 魚沼市で最も飲まれている玉川酒造の代表銘柄。吟醸香よりも味に重きを置いた味吟醸。
⑥「純米大吟醸 目黒五郎助」
 初代蔵元当主の名前を冠した、伝統の純大吟。香り、味わいのバランスが良く、蔵人イチオシの酒。
⑦「雪中貯蔵 目黒五郎助」純米大吟醸原酒 限定酒
 雪の中で貯蔵した純大吟原酒。新酒の香りを残しつつ、やわらかく熟成した雪中貯蔵でしか出せない味わい。
⑧「初汲み 目黒五郎助」純米大吟醸 生原酒
 3月にしぼり原酒のまま無ろ過でビン詰め。酒本来の持つ芳醇でふくよかな味わい。
⑨「2年熟成 目黒五郎助」純米大吟醸 原酒
 上記を1年間雪中貯蔵、1年間常温貯蔵した酒。ビターチョコレートのような深みのある味わい、つまみがいらない。
⑩「越後武士 梅酒」と「越後武士」45度の日本酒(アル添)

⑦番の「雪中貯蔵 目黒五郎助」は◎でした。



 今月の会場は そば・割烹「柏庵
  


八寸。左から「すじこ寿司」「枝豆」「つぶ貝」


「玉子焼き」に「マグロの佃煮(不確実)」

泉州産玉ねぎ
揚げ物「烏賊あられ」


椀物「とうもろこしのスープ じゅんさい」。青柚子を隠し味に磨りかけて、絶品でした。

焼き物「鰆 塩焼き」。


蒸し物は「穴子つつみ」。


刺し身「毘沙門いなだ」と「せいご」「鰯」。三浦半島毘沙門で揚がるイナダは特別。ちょっと炙ってあって抜群にお酒に合いました。  
玉子とじそば
食事はもちろん「せいろそば」。

とうもろこし
さらに水果「酒粕アイス」。ごちそうさま!

(2015年7月22日水曜日開催)

美智子さん
右から、玉川酒造風間専務、山本杜氏、そして無謀にも酒販店を立ち上げた塩谷さん
! 応援しましょう!




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