第216回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2015年8月26日開催

飲み干した「勢正宗」、そして「きの字」の料理


今月は、
優しい「熱掛四段仕込み」という、少し珍しい(全国で2蔵か3蔵、だとか)酒造法を楽しみました。

長野県の北部、中野市の街なかにある丸世(まるせ)酒造店は、明治3年に創業。
いまは、四代目関康久氏を中心に家族で
「勢正宗(いきおいまさむね)」「旭の出乃(ひのでの)勢正宗」の銘柄で高品質少量の酒造りを行っています。。

この蔵の特徴は、
今ではほとんど廃れてしまった「熱掛四段仕込み」を今もメインにしているところ。
通常行われている三段仕込みのあと(止めの後)、最後に蒸したもち米を放り込む製法が四段仕込み。
そのもち米を熱いまま投じるが、“熱掛け”法だそうです。
7℃くらいで寒仕込みされていた吟醸クラスのもろみが、一気に14℃まで上がり
もう一度酵母が元気良く働くことで独特の風味になるようです。
もち米を使うことで優しい甘さのお酒になりますが、なかなかどうして複雑なお酒です。
温度帯の変化も楽しんでください。

23BYからは、五代目になる関晋司氏が蔵に入り、新しい酒造りに挑戦しているところです。
晋司氏と一緒に飲みました。


<酒選テーマ>
蔵元を囲む「旭の出乃勢正宗」 ゲスト:関晋司氏 企画:椿阪信弥
 丸世酒造店(長野県中野市)

【出品酒】(写真左から)

①「大吟醸 旭の出乃勢正宗」 美山錦39%精米
②「純米酒 旭の出乃勢正宗」 美山錦60% 
③「もち米熱掛四段仕込 純米酒 14号 火入 旭の出乃勢正宗」
④「もち米熱掛四段仕込 純米酒 長野D酵母 火入 旭の出乃勢正宗」
⑤「もち米熱掛四段仕込 純米酒 長野D酵母 生 旭の出乃勢正宗」
⑥「特別純米酒 勢正宗」
⑦「もち米熱掛四段仕込 本醸造 旭の出乃勢正宗」
⑧ 「大吟醸 おりがらみ 旭の出の勢正宗」生
(すべて2014BY)


⑤番の純米生が最も熱掛け四段仕込みらしさが出ていたように感じました。今まで、まともに飲んだことないので、“普通とは違う”という意味ですが、、。⑧番の「おりがらみ」は、生だけあって米の味がたっぷりで◎でした。

※もち米を加える四段仕込みをしている蔵は、10軒ほどあるようです


 今月の会場は 酒味処 「きの字 
  


「ハグラ瓜と三元豚炒め」


真ん中の赤い食材はなんと「桃」のサラダ。

泉州産玉ねぎ
「カツオおろしポン酢」


「茄子鶏そぼろ」。

だだ茶豆を煎った「枝豆」。


「鶏と舞茸 青柚子の香り」。


「茗荷オクラ野沢菜 の和物」。日本の夏の味ですな。  
玉子とじそば
「冬瓜トウモロコシ 冷たい煮物」。

とうもろこし
食事は「トウモロコシご飯」。赤だしが美味しかった

(2015年8月26日水曜日開催)

美智子さん
5代目にあたる関晋司さん、まだ経験は浅いそうですが、蔵元杜氏として研鑽を積んでいるところ
! いろいろアイデアがありそうで、今後あ楽しみです。




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