第75回《1998年1月より通算169回》 日本酒と料理を楽しむ会
2011年9月28日開催

飲み干した銘酒・稀少酒と 「酒徒庵」の料理



今月は、
今年の3月に酒選をお願いした「三伊 井上酒店」(早稲田)の会で、
最も印象に残った「隆」を特集します。

蔵は、川西屋酒造店。神奈川県の山北町(足柄)に蔵を構え、約110年。
「美味しんぼ」でも取り上げられた、丹沢山系の中硬水が銘酒を支える。
主な銘柄は「丹沢山」だが、蔵元の露木さんが特にこだわったシリーズが「隆」。
「隆」は原則、無濾過のまま瓶詰めし、瓶燗火入して熟成させる。その熟成の間に、蔵元自ら『毎年、同じ酒はひとつとしてない』と言ってはばからない、個性が生まれる。
中には、3月に味わった“ナッティ”な香りを醸す1本が生まれる、というわけだろう。

蔵元のこだわりの1つは、食中酒。料理と合わせて美味しい酒が、いい酒。
まさに、まさに。世界に誇る食中酒=日本酒の中でも、最も食中酒にこだわる、蔵かもしれない。
1銘柄あたり、多くて数百本しか造られない小仕込みの限定酒を、
井上さんと蔵元のご協力で、東京にいながら味わえる贅沢に感謝。



<酒選テーマ>
蔵元を囲む「隆」
   酒選:川西屋酒造店蔵元 露木雅一氏  神奈川県足柄上郡山北町山北250 TEL 0465-75-0009
   コーディネート:井上氏(三伊井上酒店) 03-3200-6936

出品酒(左から/
データは、磨き、酵母、日本酒度、酸度、アルコール度

    「21BY隆 山吹 純米大吟醸」(兵庫県山田錦45%、9号系、+3.0、1,5、15〜16)

    「21BY低温熟成 五百万石 丹沢山」(新潟五百万石50%、9号系、+4.0、1.7、16〜17)

    「21BY隆 純米吟醸 緑」(徳島山田錦55%、7号系、+3.0、1.6、15〜16)

    「22BY純米吟醸 若水 ひやおろし丹沢山」(神奈川若水55%、7号系、+5.0、1.6、16〜17)

    「21BY隆 特別純米 雄町60 生原酒」(岡山雄町60%、9号系、+1.0、1.9、18〜19)

    「20BY山廃純米酒 丹沢山 火入」(神奈川山田錦60%、7号系、+4.0、1.8、15〜16)

    「20BY純米酒 阿波山田60 麗峰 丹沢山」(徳島山田錦60%、7号系、+4.0、1.6、15〜16)

 以上:杜氏   上川 修 (南部杜氏)


 今月の会場は 牡蠣と干物「酒徒庵」
  

「牡蠣とあおさの碗仕立」。あおさの潮汁に、一度酒蒸しした牡蠣を。食中酒を飲む献立の、ひと品目には持ってこい。

「焼き茄子」。秋なすは、旨し。

「もずく酢」。この太さは、沖縄産かな。
見事な艶の「コハダしめ」。日本酒の、肴だ。
「肉じゃが」。


「焼き秋刀魚」。今年、初物でした。

食事「きのこ飯」

(2011年9月28日水曜日開催)

川西屋酒造店蔵元露木さん。食中酒を究めようという蔵の方針を打ち立て、はやりの香り高い吟醸酒の酒質とはちょいと違うお酒を目指しています。
ナッティに巡り会うために、応援していきますので今後ともよろしく!

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