第218回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2015年10月28日開催

飲み干した「白老」、そして「京矢」の料理


今月は、
愛知の酒処・知多常滑から「白老」にお越しいただきました。
愛知の蔵元を囲むのは、この会でも初で、案外近いのに東京ではなかなか飲めない銘柄です。大吟から本醸造まで、「白老」のフルラインナップを楽しめました。

「白老」の澤田酒造は、1848年から“醸造どころ”知多で酒造りを始めています。
現代の寿司を発展させたお酢の「ミツカン」をはじめ、知多半島には
酒蔵や、たまり醤油・味噌蔵が軒を並べ、今も国内有数の発酵食品の産地です。
黒い杉板の壁で囲まれた蔵が立ち並ぶ風景は、日本中世の姿を思い起こさせます。
そうした、発酵技術の集積地でもまれながら、
社員家族8名の澤田酒造は昔と変わらない造り方で、
脈々と濃醇なお酒を造り続けてくれています。

その特徴の一つは、
全量、和釜+甑で蒸しを行っていること。
木製の樽だからこそ、きめ細やかな調整ができ、理想の“突破”麹が出来上がるのだそうです。
樽職人が年々減っていく中、昨年も、将来を見越し甑を新調しました。

この10月1日に世代継承し、新体制に移行したばかりで蔵人の平均年齢は35歳
『みんなで造りみんなで売ろう!』と士気が高まっているとか。
今回は、このたび蔵元に就任されたばかりでお忙しい中、澤田英敏氏にお越しいただきました。
なお、
この企画は、朝比奈さんと中谷さんが、はやり新社長に就任された女将にこの会を紹介していただいて、成立しました。
女将は、2人目のお子さんが生まれたばかりで今回はご主人にバトンを渡された、という次第です。




<酒選テーマ>
蔵元を囲む「白老」 ゲスト:6代目蔵元 澤田英敏 氏
 澤田酒造(愛知県常滑市)

【出品酒】(写真左から)

①大吟醸 東条山田錦 40% 協会1801号
②千本錦吟醸酒 千本錦 55% 自社酵母
③純米吟醸 知多半島産 山田錦 55% 自社酵母
④26BY若水特別純米槽場直汲一度火入 常滑産若水 60% 協会9号
⑤26BY若水特別純米生詰め 常滑産若水 60% 協会9号
⑥26BY辛口特別純米酒ギマラベル 五百万石 60% 協会7号
⑦東条山田錦純米大吟醸 東条山田錦 50% 協会1401号
⑧純米吟醸熟成酒 豊醸 八反錦 山田錦 55% 協会10号
⑨純米大吟醸3年古酒 万寿白老 東条山田錦 50% 協会9号
⑩辛口本醸造からから 加工米 五百万石 65% 協会7号

和らぎとして、仕込み水の「知多湧水」も送っていただきました。
伊勢湾の底を通って、木曽三川の水が知多半島に湧いているのだそうです。

⑤番の若水は愛知の酒造好適米。酸と甘辛のバランスがよく、「白老」の代表銘柄となるのでは、、、。


 今月の会場は  旬酒場「京矢」銀座店  
  


お刺身は「カンパチとコショウダイ」。やや南の魚で、東京では珍しいお魚で、旨い!


何とも美しい一皿「小松菜と菊花」のお浸し。

泉州産玉ねぎ
「ホウボウの一夜干し」絶妙の干し具合で、うま味たっぷり。酢橘添え


「揚げ八寸」。左から「蕗味噌」「黒バイ貝磯煮」「栗蜜煮」「ピリ辛蒟蒻」「蓮根金平」

「海老芋塩蒸」「銀杏」「薩摩芋煎餅」。


「公魚唐揚げ」。


美しい限りの、これぞ和食!「子持ち鮎煮浸し」。蕪と豆腐、葱を鮎の出汁で。  
玉子とじそば
「きのこそば」。




(2015年10月28日水曜日開催)

美智子さん
なぜ合掌ポーズが分かりませんが、人柄そのものの、6代目蔵元澤田さん
。まだ蔵に入って5年ほど、でも客観的に見られる分、これからの「白老」が楽しみです。




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