第57回 日本酒と割烹料理を楽しむ会 2010年3月24日開催

飲み干した銘酒・稀少酒と 酒味処「きの字」の料理



今月は、椿阪さんに、会場お店のアレンジから酒選まで、すべてお任せしての企画でした。
会津の蔵にしぼり、各蔵から極上の1本を選んだ、という趣向です。椿阪さんが利用している酒屋「つなや」の主人・上野さんと試飲を重ね、選びぬいた銘柄ばかりです。
12月は、奈良の地酒蔵を取り上げましたが、福島でも会津地方だけにしぼった試みはまた一興でした。
旨さも、申し分なし!


<酒選テーマ>
「会津の銘酒」  酒選企画:椿阪信弥 上野則男

出品酒(左から)
 
●「会津ほまれ 大吟醸」
    ほまれ酒造株式会社(喜多方市):大正7年創業の会津では若い蔵で、
    飯豊山系の伏流水を使った酒造りを行っている

●「奈良萬 純米生酒 中垂れ」無濾過生原酒
    夢心酒造株式会社(喜多方市):明治10年創業の蔵で、地元産の
    米・水・酵母にこだわった酒造りをしています。「奈良萬」は純米の酒
    のみで、特定酒販店のみで扱うブランド。

●「大吟醸 豊圀 純米袋取」無濾過生
    豊国酒造合資会社(会津坂下町):文久2年創業の蔵ですが、先代の
    急死により会社員をしていた高久禎也氏が急遽跡を継ぎ、地元の蔵
    人と「手造り」にこだわった酒を醸しています。

●「会津中将 生純米原酒」無濾過初しぼり
    鶴乃江酒造株式会社(会津若松市):会津若松の街なかにある、
    寛政6年創業の小さ蔵。酒質が毎年のように向上しています。

●「天明 純米吟醸中取り」壱号 槽しぼり無濾過生
    曙酒造合資会社(会津坂下町):明治37年に創業し「曙」という名の
    酒を造っていまたが、先代の急死により、「主婦」をしていた鈴木明
    美さんが急遽蔵を継ぐことになりました。杜氏制をやめ、ご夫妻と地
    元の蔵人だけで造っています。「天明」は特別な酒販店のみが扱う
    ブランドで、全て無濾過。

●「蔵枠 純米大吟醸」2009年全国酒類コンクール純吟部門グランプリ受賞
    小原酒造株式会社(喜多方市):創業は享保2年と古いのですが、醪に
    クラッシック音楽を聴かせて発酵させるなどユニークな造りを行っている蔵。

●「さすけね 純米原酒蔵」無濾過生原酒
    合資会社会津錦(喜多方市):旧耶麻郡高郷村に江戸時代からあった
    (大火により明治初年以前の記録がありません。)蔵ですが、専務の斎
    藤孝典氏が杜氏として、20代中心の若い蔵人と造りを行っています。

●「蔵太鼓 純米辛口」
    合資会社喜多の華酒造場(喜多方市):大正8年創業の小さな蔵ですが、
    熱い星敬志氏が徹底的に造りを見直し、日本酒度+10という会津らしか
    らぬ辛口の酒に挑戦!



 今月の会場は「きの字」
 新大塚のセレンディピティ、珠玉の割烹です。こんな店があるのですねえ、最高級の賛辞を贈りたい店でした。
  酒味処「きの字」 Tel:03(3946)8898  豊島区南大塚2−11−12
  

うるいと白菜の「アンキモ味噌」。きの字の実力を示す、まさに逸品でした。日本酒にこの味噌は、再考のアテ。みんな奪い合うように、皿を舐めるように、味噌を味わっていました。

「鰹の変わり刺身」。“変わり”の秘密は、“酒盗”。言わば、共合え。少し米麹も入り、なかなか食べられない一品でした。

「春野菜のポテトサラダ」。と題しながら、赤く見えるのは桜えび。隠し味というには、鮮やかな匠の技でした。
「鰤と葉ニンニクのぬた」。見事な、お造りの逸品でした。鰤にもひとタタキ、手間かけてあります。
「フキノトウの油味噌」。見てくれは写真ではいまいちですが、春の山菜の、食べ方ですね。

「ホタルイカと新ごぼう、セリの卵とじ」。参りました。
「牡蠣の天ぷら春菊あんかけ」。名残惜しい、牡蠣の今シーズンの締めとなりました。いいアレンジです。 「苺と清見オレンジの酢の物」。決して、食事の後のデザートではなく、肴として。 締めは「深川風雑炊」。これも、特に女性陣で奪い合い。

きの字 恐るべし!
(2010年3月24日水曜日開催)


(左)「きの字」の若いオーナーシェフ、小暮さん。腕前と同等のいい男!
(右)今回の会津の酒の酒選および入手にご尽力いただいた「つなや」のご主人上野さん。


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