
今回は、近江の古蔵「七本鎗」を特集しました。
この銘柄一本槍で460年お酒を醸し続けているのは、冨田酒造(滋賀県木之本町)。
全国でも屈指の長い歴史を有する酒蔵です。
豊臣秀吉が天下人に上り詰めるきっかけとなった、「賤ヶ岳の戦い」の古戦場にほど近い立地。
七本鎗とは、この戦いの勝利に貢献した秀吉子飼いの若武者7人を指します。
北大路魯山人が長逗留したことでも知られ、母屋には魯山人の手による扁額(「七本鎗」「酒猶兵」の文字)が掲げられています。
『酒は、1日たりとも備えを欠かしていけない兵の 如くなり』
能登杜氏・中鎮夫さんを中心に造られるお酒は、味わい深くキレのよい辛口。
江戸の頃からの蔵建物を残すことに加え、農村も含めた環境も残そうとの理念のもと、
酒米「渡舟」の無農薬の栽培、低精白(77%など)への挑戦など、イノベーターでもあります。
戦国の野武士を思わせる骨太の田舎酒。ここ湖北の地には無くてはならない地酒です。
今回、「七本槍」を酒撰してくれたのは、
毎日のようにお酒が食事代わりという、この会にも愛情を注いでくださる菊池さん。
最近は近江の酒に注目しているそうで、今回はその中から正月らしく、
縁起の良い『勝利の酒』と呼ばれる七本槍を選んでいただきました。
玉栄と渡船の酒米の違い、生と火入れの違い、磨き違いを愉しみたいと思います。
<酒選テーマ>
「七本鎗」 酒米の違い・精米の違いを利く 酒撰:菊池 淳
冨田酒造
【出品酒】(写真右から)
①純米 吟吹雪60 生原酒 (26BY)
日本酒度+3.5 /酸度1.9 /alc.17~18/原料米:吟吹雪 精米60% /酵母 協会1401号
②純米吟醸 火入 (25BY)
日本酒度+5 /酸度1.7 /alc.15~16/原料米:玉栄 精米55% /酵母 協会14号
③純米 14号 (25BY)
日本酒度+4 /酸度1.5 /alc.15~16/原料米:玉栄 精米60% /酵母 協会1401号
④純米 14号 搾りたて (26BY)
日本酒度+4.5 /酸度2.0 /alc.17~18/原料米:玉栄 精米60% /酵母 協会1401号
⑤純米80 火入 (25BY)
日本酒度+8 /酸度2.2 /alc.16~17/原料米:玉栄 精米 麹米65% 掛米80% /酵母 協会7号
⑥純米80 生原酒 (25BY)
日本酒度+8 /酸度2.2 /alc.17~18/原料米:玉栄 精米 麹米65% 掛米80% /酵母 協会7号
⑦純米大吟醸 渡船 (25BY)
日本酒度+4.5 /酸度1.7 /alc.15~16/原料米:渡船 精米50% /酵母 協会9号
⑧純米 渡船77 (24BY)
日本酒度+7 /酸度2.0 /alc.15~16/原料米:滋賀渡船 精米77% /酵母 協会9号
⑨純米 渡船77 (23BY)
日本酒度+7 酸度2.0 /alc.15~16/原料米:滋賀渡船 精米77% /酵母 協会9号
⑩純米 山田錦 ひやおろし (24BY)
日本酒度+4.5 /酸度1.9 /alc.15~16/原料米:山田錦 精米60% /酵母 協会901号
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