第220回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2015年12月22日開催

飲み干した「櫻室町」、そして「柏庵」の料理


今月は、
「雄町100%の酒」を浴びました!

室町酒造は、創業320年、岡山県下随一の歴史があり全国的にも最も古い酒蔵の1つに数えられます。
昔は当主の名の花房酒造を名乗っていましたが、「室町酒造」になってからは特定名称酒にシフトし、
備前岡山の地にこだわった酒造りをしています。

一番の特徴が「雄町100%の酒」。
「雄町」はご存知のように、「山田錦」の親に当たる酒造好適米で、全国の酒蔵がこの米を求めていますが、
室町酒造の立地する旧赤磐郡が発祥の地。
今でも、「雄町」栽培の90%が岡山県産です。中でも、赤磐市瀬戸地区は毎年特A米の多くを生産しており
「櫻室町」はその瀬戸地区の「雄町」にこだわっています。
「雄町」は実は、仕込むのがとても難しい米。敢えて言えば「山田錦」を使えば簡単に流行の吟醸酒は造れるのですが
「雄町」で巧く造るには蔵の腕が必要です。しかし巧くできた「雄町」の酒は、濃醇で食中に飲み飽きない
美味しい酒となります。
「雄町100%」の本醸造を造っているのは、おそらく室町酒造だけだろうとのことです(花房氏)。

さらに仕込み水は、旧赤磐郡(現岡山市)雄町(蔵から10Kmほど)にある「雄町の冷泉」という、日本の名水百選に選ばれている湧き水を使っています。
お殿様の井戸として昔は庶民は使えなった名水。もちろん、酒米「雄町」の名の由来も、この水で栽培されたから。

米も水も、技術も、雄町100%
これぞ地酒中の地酒といえる「櫻室町」を
蔵元・花房満氏にお出でいただき、堪能しました。


<酒選テーマ>
蔵元を囲む「櫻室町」 ゲスト:室町酒造 花房満氏

【出品酒】(写真左から)

①「極大吟醸 室町時代」(+4 40%精白 26BY)
②「特別純米無濾過生原酒 あらばしり一番」(+3 65%精白 27BY新酒)
③「契約栽培米 瀬戸雄町」(+3 65%精白 26BY)
④「純米吟醸 佐近」(+2 55%精白 26BY)瀬戸地区の農家・名人と言われる左近さんの雄町を使用
⑤「本醸造無濾過生原酒 あらばしり一番」(+2 65%精白 27BY新酒)
⑥「本醸造 金撰 辛口」(+5 65%精白 26BY)
⑦「特別純米酒 雄町純米」(+3 60%精白 25BY)
⑧「純米大吟醸 ゴールド雄町米の里」(+3 40%精白 26BY)



東京ではなかなか手に入らない銘柄ばかりですが、特に
④「左近」は高級飲食店もしくは海外向け限定の銘柄だそうです。
①と⑧の大吟醸は、香りもよく出ていてコクがあって◎でした。18系酵母。
②の無濾過生原酒は、酸が出ていて少し寝かせると大化けする予感。9号酵母。


 今月の会場は そば・割烹「柏庵  
  


「玉子豆腐 牡蠣潮仕立て」白髪葱の下にプリプリの牡蠣が、、、。


「大ツブ貝」「もずく酢」

泉州産玉ねぎ
「出汁巻玉子」「らっきょう味噌」「鬼殻焼き」

お刺身は「鰆、本鮪、ハマチ、鯛」。
「鰤 照焼き」。


「金目お頭 煮付け」。


「鱧葱巻き揚げ」。  

柏庵さんだから締めは「もり」。


水菓子は「酒粕ムース」、、記憶定かではありませんが。

(2015年12月22日水曜日開催)

美智子さん
櫻室町蔵元花房氏。「雄町100%」はとても良い独自性。この蔵元の経営で、大きく注目されると思います。





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