
今月は、
「田从」で知られる舞鶴酒造から、
この会では5人目の女性蔵元杜氏・工藤華子さんにお越しいただきました。
秋田県唯一の女性杜氏、しかもこの仕込みの時期にお出でいただける喜び
希少な体験、参加できた方はラッキーでした!
伝統銘柄は「朝乃舞」。
創業当時、蔵の傍らの遊水池に、毎朝鶴が飛来し天空を舞ったことに因み命名されました。
工藤さんは蔵元の2人娘の長女。嫌だった家業を継ぐ決心をしたのは、東京農大短大在学中。
日本酒の奥深さに気付いたのだと言います。
そして蔵元見習いとして経営を切り盛りしていた頃、さらに転機が訪れます。
吟醸酒ブームに疑問を感じ、純米酒だけを造ろうと蔵の方針を大転換したのです。
「田从」は工藤さんが自ら杜氏として醸す酒として、2002年に誕生しました。
「从」の字は、古代中国文字で人が集う様を表します。米を作る人、酒を造る人、売る人、味わう人の関わり合いを忘れまいという願いから、名付けられました。
『手抜きをしない手造りで鑑評会に媚びず、「本物の純米酒」を消費者にお届けしたい。
米の旨みをしっかり出し存在感のある、なおかつ、飲んで幸せを感じられる「ほっとする酒」を醸していきたい
と考えております。
酒質は、冷酒で呑むよりも常温〜お燗で呑むと美味しさが増す酒です。
寒さの増す、1月に是非お燗で呑んでいただきたいお酒です。』
蔵元杜氏がおっしゃるまま、ほぼすべてお燗でいただきました。
ほかの蔵にはない、とても個性的な酒質であることが、よく分かりました。
工藤さんが関東の試飲会に出て来られるのも、例年は
8月のリーガロイヤルホテルで開催される「純米酒燗 夏の宴」と、
10月の足利で開催される「ばんな寺純米酒祭り」の2つだけだそうです。
<酒選テーマ>
蔵元を囲む「田从」 ゲスト:工藤華子氏 コーディネート:内田佐登美さん
舞鶴酒造株式会社 秋田県旧平鹿町(現横手市)浅舞
【出品酒】(写真右から)
●15BY山廃純米酒無濾過生詰 千葉産五百万石60
●16BY山廃純米酒 秋田産ひとめぼれ60
●16BY山廃純米酒無濾過生詰 秋田産ひとめぼれ60
●17BY山廃純吟秘蔵古酒 美山錦50%
●17BY山廃純米酒無濾過生詰 ヨネシロ65
●18BY特別純米酒無濾過生詰 秋田産ヨネシロ65
●20BY山廃純米酒無濾過生詰 徳島産山田錦70%
●純米酒
右から2番目の「16BY ひとめぼれ60」は、独特にして秀逸でした。お燗すると、梅酒のような香が立ち上がり、とても約10年経っている熟成酒とは思えない美味さでした。
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