第240回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2017年8月23日開催

飲み干した「中乗さん」、そして「京矢」の料理


今月は、
避暑地・木曽福島から『中乗さん』をお招きして、蔵元を囲みました。

清流木曽川を裏庭に、河岸に立つ「中善酒造店」は、その水の良さと冷涼な気候を強みに、1865年慶応元年創業。
一時酒造を休止していた時期がありますが、
2002年頃から安定して、全国新酒鑑評会や長野県などの品評会で入賞をはたす蔵となっています。

特徴の1つは、お米。
すべて県産米を使い、特に、日照時間が短く米づくりが難しい木曽路での栽培に適した酒米「ひとごこち」を地元農家と契約して自家栽培、米づくりから手がけています。
「美山錦」も多用していますが、これも県内安曇野の、定評ある農家に依頼して栽培、調達しています。

中乗さんとは、筏に乗って木材を運んだ、船頭のこと。中世の時代、木曽川は舟運の大動脈、急流や難所も多いのですが、そこを名産である木曽材を1本ずつ流し、尾張まで運びました。その1本の木材に乗り岩を避けるように操り、命がけで運ぶ職人が、中乗さんと呼ばれました。
民謡「木曽節」にも『なかのりさ〜ん』と謳われ、木曽の知名度アップや観光振興も担ってきた『中乗さん』をブランドネームとして約100年。
地酒として愛され続けながら、現在は首都圏市場の開拓にも力を入れ始めています。ややもすると東京ではお土産的なお酒に思われますが、しっかりと造り込んだいい商品が揃いました。

当日は、
蔵のご三男である南 俊三氏にお越しいただき、囲みながら涼しい酒を飲みました。
なお、
今回は、京矢の料理人・和知さんにコーディネートしていただきました。




<酒選テーマ>
蔵元を囲む「中乗さん」 ゲスト:常務 南 俊三氏 中善酒造店

【出品酒】(写真左から)


1)自家栽培米 ひとごこち低精白純米酒
2)契約農家産 美山錦辛口純米 生一本
3)特別純米 長野県原産地呼称認定
4)自家栽培米 ひとごこち純米吟醸
5)契約農家産 美山錦純米吟醸 責め
6)契約農家産 美山錦純米大吟醸
7)蔵出し原酒 厳寒水
8)横井戸貯蔵


1)『低精白』は80%精米,自家栽培の米の旨味を最大限に引出し◎。
5)『責め』美山錦を55%磨き,アルプス酵母で醸した醪の、最後の搾り分、濃醇で◎
8)『横井戸』は7)の生貯蔵酒と同じ造りのモノを、原酒で火入し仕込み水の横井戸に寝かした生詰タイプ



 
 今月の会場は 旬酒場「京矢」銀座店 
  


刺身は旬の「スズキと栄螺」。サザエは肝を溶いてとも和えでいただく!


お通し「豆鯵の南蛮」とても美味しい



八寸。小鉢「小肌酢〆」。裏に隠れているのが金沢の地野菜「金時草」


左上が「おから」、美味しい「茹で落花生」、「自家製カラスミ」。「磯つぶ貝」「新◯十蜜煮」


「かます一夜干し」


煮物「金目鯛」「丸茄子」「茗荷子」  
玉子とじそば
揚物「鱧真丈」「オクラ」。


食事「きのこそば」

(2017年8月23日水曜日開催)


常務の南さん。奥さまのお父様が地元の、米づくり名人で、「ひとごこち」など自家最栽培米はすべて義父さまの指導によるもの。長野県は、原産地呼称も先進の県。The 地酒を小さな蔵が地でやっています。




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