第79回《1998年1月より通算173回》 日本酒と料理を楽しむ会
2012年1月25日開催

飲み干した銘酒稀少酒と、 「千人同心」の料理




今月は、
東北復興祈念、満を持して1年を経たこの、新酒の時期に行ないました。
この会としてどのような企画が良いか、考えてきましたが、
下手に便乗せず、被災から立ち直った製造設備で新米から醸した新酒を
消費し飲むことが蔵を元気づけられると思いました。

そして酒選は、
気仙沼(旧本吉町大谷)で酒販店を営み、すべてを津波に飲み込まれた
大越商店さんにお願いしました。
彼は、本吉町に造り酒蔵がなくなってしまったことを憂い、地域の誇りのために
酒米づくりから地元産にこだわった特注酒「鼎心」を企画(醸造は蔵に発注)、
1993年から販売してきました。この会でも、2007年10月第28回で取り上げています。
以下は、大越さんからのメッセージ(原文まま)です。
『なかなか進まない復興ですが、少しでも前を向いて歩いていけたらと思っています。
津波で何もなくなりましたが、私共も震災後、昨年プレハブでの仮店舗で営業を開始いたしました。
この14畳ほどのプレハブでマイナスからのスタートです。
得意先の料飲店さんも20軒ほど被災し、何軒かはプレハブの仮店舗での再開いたしましたが
まだに再開のメドもたたない方も多いようです。
また、当店の仮店舗への電話工事も、問合せ申し込みから
約10ヶ月かかってようやく昨年12月に完了しました。
それだけ被害が大きいということですね。未だ電話工事が出来ない場所もあるので
私どもはいいほうですかね・・・。
当分の間はこの仮店舗での寂しい営業となります。何とか頑張って行けたらと考えております。』

彼の思いを乗せた「鼎心」も、酒選しました。
そして、被災され被害の大きかった蔵を厳選してもらい、
一番力の入っている特定名称酒を選んでもらいました。



<酒選テーマ>
「東北復興祈念 新酒 一番しぼり揃え」  酒選人:大越巌(気仙沼「大越商店」店主)
   大越商店(仮店舗):宮城県気仙沼市本吉町大谷88−13
       携帯 090−2601−0771   FAX :0226-44−2701

出品酒(左から


 ●(株)角星(両國醸造元)宮城県気仙沼市
 「復興酒 特別純米酒無濾過原酒 船尾灯(ともしび)」精米60%

 ●萩野酒造 宮城県栗原市
 「日輪田(ひわた)純米吟醸生原酒」 原料米 美山錦 精米50%

 ●新澤醸造店 宮城県大崎市
  ※蔵は全壊し、宮城県内の村田町に製造場所を移転
  「愛宕の松 純米吟醸」 原料米「蔵の華」精米50%

 ●(株)男山本店 宮城県気仙沼市
 「伏見男山 蒼天伝(そうてんでん) 特別純米酒」原料米「山田錦」精米60%

 ● 販売・管理:大越商店(醸造元:伏見男山) 宮城県気仙沼市
 「鼎心(かなえ) 純米吟醸無ろ過原酒」 原料米「蔵の華」精米50%

 ●平孝酒造 宮城県石巻市
 「日高見(ひたかみ) 純米初しぼり生酒 感謝の手紙」精米60%

 ●山和酒造店 宮城県加美町
  「山和 純米吟醸 無濾過生原酒」 原料米 美山錦 精米50%

 ●墨廼江酒造 宮城県石巻市

 「墨廼江 BY1号しぼりたて純米吟醸」

 ●佐浦 宮城県塩竈市

 「浦霞 しぼりたて生酒」


 今月の会場は 「千人同心
  

宝舟盛り先付け前菜の数々。手前右から、赤い「みかん酒」「茄子の鮭白子味噌焼き」「松前漬け&べっ甲数の子」、中段橙色の「えびクリームチーズ焼き」、上段串が「黒豆白仙衣揚げ」。

「アチャラ蕪」。

珍味「酒盗」と「クラゲ明太」
根菜料理「ローストチキン」「風呂吹き大根黄味衣揚げ」「土佐和え(じゃこ玉ねぎ貝割れ)」。
「お造り三点盛り」天然物の鯛と鰤と、鮪中トロかな?

お凌ぎ「お寿司三点盛り」。

丁寧な仕事をしてくれます。温物「豚の角煮」を隠しているのは「お餅」。添え物は、新筍に里芋、ほうれん草。
「茶そば」
食後の「季節のアイスクリーム」

(2012年1月25日水曜日開催)

大越さん、ありがとうございました。

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