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10月の酒テーマは「ご当地米」。各地の酒蔵から地酒を取り寄せ楽しんでいる訳ですが、その原料である酒米(酒造好適米)となると「山田錦」寡占の様相。鑑評会に出すようないい酒を造るにはやっぱり「山田錦」だそうで、酒どころが多い寒冷な地方では生産は向かないだけに、本家兵庫県あたりから“輸入”が多くなるとのこと。地酒といいながらも、水と気候以外はヨソから調達というのが、物流天国現代日本の真の姿のひとつ。
しかし、2000年以降、寒冷地を中心に各県の農業試験場が独自の酒造好適米・品種を開発。今年あたりからようやく、地の品種を地で生産、地の水で仕込んだ真性地酒が、新たに種種楽しめる環境が整ってきたようです。第二の「五百万石(新潟)」「美山錦(長野)」あるいは「亀の尾(山形)」が現れるか? 「山田錦」を超える酒米が登場するのか? 真性地酒を楽しみました。
左から
●「美し郷 純米吟醸生原酒」(まんさくの花/日の丸醸造・秋田県横手市)/酒米「美郷錦」(秋田県農業試験場にて1987年「山田錦と美山錦」を交配。02年品種登録。別
名:秋田酒55号)、水:奥羽山脈栗駒山系伏流水(井戸水) 精米50% 日本酒度0
●「山法師 純米吟醸」(六歌仙・山形県東根市)/酒米「出羽の里」(山形県農業試験場にて1994年「吟吹雪と出羽燦々」を交配。04年県の認定品種に。別
名:山形酒86号)、水:(調べられず) 精米60% 日本酒度+3
昨年から試験醸造、精米歩合を迷ったあげく60%に。「出羽燦々」とは違う独特の香り、こくの中にすっきりした旨味が感じられる。
●「駒泉 純米吟醸冷やおろし原酒」(盛田庄兵衛・青森県七戸町)/酒米「華想い」(青森県農業試験場にて1987年「山田錦と華吹雪」を交配。01年育成。別
名:青系酒140号)、水:八甲田山系高瀬川伏流水 精米55% 日本酒度+4
(以上)
この他にも、「天の戸 亀の尾仕込み」や、お燗での「龍勢」を楽しみました。もちろん、帰りは千鳥足!!
酒選人)林 明彦