第250回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2018年6月27日開催

飲み干した「帝松」、そして「京矢」の料理



今月は、
“武蔵の小京都”小川から「松岡醸造」にお越しいただき、首都圏随一の実力のお酒を飲み進めました。

端麗辛口の吟醸の流行で、仕込み水は軟水のほうが適しているイメージがありますが、
ここ秩父山系の同蔵の仕込み水は硬水。灘の“宮水”よりも高い、仕込み水としては日本随一の硬度を持っています。近くには鍾乳洞もあり、そこが本来の取水口。硬水なのも頷けます。
小川町は別名、「関東灘」と言われる所以です。
そこから醸し出される『帝松』。
8年連続の、新酒鑑評会金賞受賞の実力です。

「松岡醸造」は1851年創業。
伝統を守りつつもチャレンジを続け、「飲んだ人が思わず笑顔になるような酒造り」をモットーとし、常に新しい商品開発に取り組んでいます。そのため、原料米の仕入れ先は毎年違って“しまっている”。田んぼを見て作り手農家と話し、実際の稲の状態を見て、一番眼鏡にかなったものを全国から選んでいるそうです。


当日は、造りにも携わっている次期社長(7代目)松岡 奨さんにお越しいただきました。この会のあと、すぐ社長にお成りです。



<酒選テーマ>
蔵元を囲む「帝松」 ゲスト:第7代蔵元 松岡 奨 氏 松岡醸造

【出品酒】(写真左から)


1)純米大吟醸 鳳翔 備前雄町三割八分精白
2)大吟醸 山田錦三割八分精白
3)吟醸 社長の酒    原料米:県内産彩のかがやき
4)吟醸 土蔵10年熟成酒 原料米:麹米岡山県産都、掛け米兵庫県産朝日
5)Premium純米大吟醸生原酒 Royal Pine 原料米:山形県産出羽燦々
6)Premium 純米吟醸生原酒 MIKADOMATSU 原料米:山形県産玉苗
7)完全無農薬 純米吟醸 霜里 原料米:町内霜里地区産コシヒカリ
8)蔵出し 純米生原酒 原料米:彩のかがやき
9)本醸造 夜祭り 原料米:キヌヒカリ(食米)
10)純米 彩の酒 原料米:さけ武蔵

2)の大吟醸は,60Kg45,000円する特等米を使用、贅沢な鑑評会出品作品
5)6)のPremiumの2種はともに◎、純米生原のフレッシュで香り高い味わいが堪能できました。
7)の吟醸生は秀逸。米づくりから酒造りまで奨氏がプロデュース。原料のコシヒカリはなんと,へたな山田錦よりも高い金額で仕入れているそうです。もちろん,普通のコシヒカリのん倍。
8)の蔵出し純米生原も,ほぼ定番酒でありながら◎、9)の本醸造も申し分なく、定番酒が旨い蔵はやはりよい。




 
 今月の会場は 旬酒場「京矢」銀座店 
  


焼八寸、「湯葉酒盗」「ずんだ松風」「もろこし」「唐墨」「ピリ辛コンニャク」「南蛮漬け」「金平牛蒡」


赤いのは「山桃蜜煮」「蕗味噌」,右端が「ふぐ白子焼」

泉州産玉ねぎ
お通し「鰹漬け」


煮物、1人1尾,お皿からはみ出す「焼鮎 煮浸し」

 


豆腐,白髪葱添え


いい仕事してます,今月も京矢さん


揚げ物は,鶏にあらず「穴子唐揚げ」  
玉子とじそば
お造りは,抜群に美味しい「勘八」と「平目昆布〆」


食事は「とろろ蕎麦」


(2018年6月27日水曜日開催)


松岡醸造社長就任2ヶ月前の、奨氏。お若いですが、しっかりと蔵の経営に責任と愛着をもってとりくんでいるのが伝わります! なんと言っても、酒がすべて旨い。間違いなく、埼玉県でも屈指の蔵に育つでしょう。



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