第252回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2018年8月22日開催

飲み干した「美濃錦/白雪姫」、そして「じょう」の料理



今月は、
美濃の大垣から『美濃錦』にお越しいただき、女性蔵元杜氏ならではの新しい時代を予感させるお酒を飲みました。

大垣は、水のまち。木曽三川の河岸なれば、納得ですが、
市内の至る所で泉が湧く風景は格別なもの。
松尾芭蕉が、奥の細道の旅を終えた場所としても有名です。
水のいい土地に、酩醸あり。

『美濃錦』を醸す「渡辺酒造醸」は、明治35年創業。
100余年を経て、技術の伝承とともに、いま、
女性杜氏 渡辺愛佐子(あさこ)さんがオリジナリティを発揮しながら、蔵を継承しています。

新たな売り出し中のブランドは『白雪姫』。
地元の農家に依頼し、農薬化学肥料を減らし「レンゲ草」を鋤込んで育てた「ハツシモ」や「ひだほまれ」を使用。
仕込み水には、奥長良川(支流)の名水『高賀の森水』を取り寄せて醸すブランド。
まだまだこれから育つ銘柄ですが、
味わいなどバリエーションを増やし、主の銘柄になって行くかもしれません。

大学卒業後、山梨の『七賢』で2年間修行された愛佐子さん。
名古屋を中心に注目され始めている女性蔵元杜氏とともに、しっかりと暑気払いできました!



<酒選テーマ>
蔵元を囲む「美濃錦/白雪姫」 ゲスト:渡辺酒造醸 蔵元 渡辺愛佐子 氏

【出品酒】(写真右から)


1)白雪姫 純米吟醸 生原酒 岐阜県産特別栽培米ハツシモ
2)あさちゃんのどぶろく 生
3)白雪姫 純米大吟醸 岐阜県産特別栽培米ハツシモ
4)白雪姫 吟醸 岐阜県産特別栽培米ハツシモ
5)白雪姫 純米無濾過生 ひだほまれ
6)白雪姫 純米無濾過生 五百万石
7)ナイショの山廃 あさ
8)MINONISHIKI 純米山廃
9)美濃錦 15年熟成 
10)美濃錦 辛口造り


なんと言っても特筆なのが、2)の「あさちゃんのどぶろく」、こんなに香り高く,キレのいいどぶろくを初めて飲みました。
5)の「純米無濾過生」も◎、濃厚でナッティな含み味が最高でした。
7)山廃は,10年熟成のもはや古酒ながら,ヒネ香もまったくなく冷やでもぬる燗でも◎
8)の純米山廃も◎,兵庫県産の酒米夢錦をつかい9年寝かせた熟成酒19BY。渡辺酒造醸は熟成に強みありと見ました。
また10)は「辛口」と銘にありますが,キレのある旨口の酒質。単に日本酒度+5なだけで、甘味と奥行きを感じます。

小さなお蔵さんですが、実力は一級の蔵でした




 
 今月の会場は 「じょう本店」(恵比寿) 
  


長良川を意識して、名産「鮎の塩焼き」。超高級な長良川の鮎ではないと思いますが、じょうさんのサービス精神に感謝!


お通し「胡桃じゃこ」「胡麻豆腐2種」「オクラなめこ」

泉州産玉ねぎ
「ローストチキン」


お造り「鯛、まぐろ赤身、鯵、鯖」だと思います

 


居酒屋っぽく「春巻き」


サラダもたっぷり


同じ岐阜県ないでも「朴葉みそ」は飛騨地方の名物なんですが、ご愛嬌!! 美味しかった。  
玉子とじそば
蛤の貝殻に盛られた「貝のひと口グラタン」。大垣から川を下り伊勢に向かった松尾芭蕉は、桑名で焼き蛤を食べたとか、、、


〆は「茶蕎麦」


(2018年8月22日水曜日開催)


蔵元としては、初々しいあさこさん。でも、杜氏の腕はもうしっかり一級と得心しました。特に、熟成酒に感動!


もう少し石高が増えて、東京含め、全国区になることを応援します。

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