
今月は、
美濃の大垣から『美濃錦』にお越しいただき、女性蔵元杜氏ならではの新しい時代を予感させるお酒を飲みました。
大垣は、水のまち。木曽三川の河岸なれば、納得ですが、
市内の至る所で泉が湧く風景は格別なもの。
松尾芭蕉が、奥の細道の旅を終えた場所としても有名です。
水のいい土地に、酩醸あり。
『美濃錦』を醸す「渡辺酒造醸」は、明治35年創業。
100余年を経て、技術の伝承とともに、いま、
女性杜氏 渡辺愛佐子(あさこ)さんがオリジナリティを発揮しながら、蔵を継承しています。
新たな売り出し中のブランドは『白雪姫』。
地元の農家に依頼し、農薬化学肥料を減らし「レンゲ草」を鋤込んで育てた「ハツシモ」や「ひだほまれ」を使用。
仕込み水には、奥長良川(支流)の名水『高賀の森水』を取り寄せて醸すブランド。
まだまだこれから育つ銘柄ですが、
味わいなどバリエーションを増やし、主の銘柄になって行くかもしれません。
大学卒業後、山梨の『七賢』で2年間修行された愛佐子さん。
名古屋を中心に注目され始めている女性蔵元杜氏とともに、しっかりと暑気払いできました!
<酒選テーマ>
蔵元を囲む「美濃錦/白雪姫」 ゲスト:渡辺酒造醸 蔵元 渡辺愛佐子 氏
【出品酒】(写真右から)
1)白雪姫 純米吟醸 生原酒 岐阜県産特別栽培米ハツシモ
2)あさちゃんのどぶろく 生
3)白雪姫 純米大吟醸 岐阜県産特別栽培米ハツシモ
4)白雪姫 吟醸 岐阜県産特別栽培米ハツシモ
5)白雪姫 純米無濾過生 ひだほまれ
6)白雪姫 純米無濾過生 五百万石
7)ナイショの山廃 あさ
8)MINONISHIKI 純米山廃
9)美濃錦 15年熟成
10)美濃錦 辛口造り
なんと言っても特筆なのが、2)の「あさちゃんのどぶろく」、こんなに香り高く,キレのいいどぶろくを初めて飲みました。
5)の「純米無濾過生」も◎、濃厚でナッティな含み味が最高でした。
7)山廃は,10年熟成のもはや古酒ながら,ヒネ香もまったくなく冷やでもぬる燗でも◎
8)の純米山廃も◎,兵庫県産の酒米夢錦をつかい9年寝かせた熟成酒19BY。渡辺酒造醸は熟成に強みありと見ました。
また10)は「辛口」と銘にありますが,キレのある旨口の酒質。単に日本酒度+5なだけで、甘味と奥行きを感じます。
小さなお蔵さんですが、実力は一級の蔵でした
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