第253回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2018年9月26日開催

飲み干した「御代櫻/津島屋」、そして「京矢」の料理



今月は、
先月に引続き岐阜の、美濃太田宿から『御代櫻』にお越しいただき、“天之美禄百薬の長”と愛された美濃のお酒を究めました。

いまの美濃加茂市は、大化の改新の頃すでに、清冽な清水の地として都に名が伝わっていました。
木曽川と飛騨川が合流し、急流で知られる中山道の“太田の渡し”の地で「御代桜醸造」は、明治26年創業しました。
現在は、6代目の渡辺博栄氏が若き当主として、“再創業”をかかげチャレンジングに酒造りに取り組んでいます。
6代目とほぼ時を同じくして社員杜氏に就任した酒向氏とタッグを組み、
米の旨味が素直に感じられ、後口のすっと引いていく酒を目指して、新たな銘柄『津島屋』を2012年にリリースしています。

今回は、
県産米「あさひの夢」や「ひだほまれ」など使った、地の原料米にこだわった『御代櫻』と
創業当時の屋号を復活させた『津島屋』を、利き比べしたいと思いました。
後者は、特定名称酒クラスの純米にこだわったシリーズ。無濾過生原酒が中心で、小仕込みのため通年ではなく月に1アイテムずつ出荷という珍しい製造方針。蔵として伝統を守りつつ、今の蔵人が表現したい酒質を求めて創り出されています。

この日は、造りにも入りながら営業担当していらっしゃる 鮎川氏にお越しいただきました。



<酒選テーマ>
蔵元を囲む「御代櫻/津島屋」 ゲスト:御代桜醸造 鮎川隆弘 氏

【出品酒】(写真右から)


1)津島屋 純米大吟醸 窮めの山田錦 無濾過生原酒 29BY
2)津島屋 純米大吟醸 備前産雄町 無濾過生原酒 29BY
3)津島屋 純米吟醸 廣島産八反錦 無濾過生原酒 29BY
4)津島屋 純米吟醸 信州産美山錦 無濾過生原酒 29BY
5)津島屋 純米酒 石狩産吟風 瓶囲い 29BY
6)御代櫻 純米大吟醸 美濃産五百万石 29BY
7)御代櫻 純米吟醸 あさひの夢 29BY
8)御代櫻 醇辛純米酒
9)御代櫻 特別純米 ひだほまれ瓶囲い 28BY
10)御代櫻 褒紋 普通酒


「津島屋」シリーズは、無濾過生原酒がベースなので香味が高く濃醇な味でした。
特に、3)の「純吟 八反錦」は,生特有のマンゴーの香りがあって◎、2)の「大吟醸 雄町」も最も雄町らしくないブドウの香味。
4)の「純吟 美山錦」は,口に含むと少し遅れて奥から旨味を感じる味、ぬる燗でも◎でした。
個人的には、9)の「御代櫻 特純」が◎,冷やでもお燗でもとても旨い酒でした。




 
 今月の会場は  旬酒場「京矢」銀座店 
  


焼八寸、左から「湯葉酒盗掛け(鉢)」 「つぶ貝磯煮」 「焼き栗」 「長芋山葵漬け」 「鮎甘露煮」


「チーズ松風」 「フルーツトマト」 「落花生」

泉州産玉ねぎ
「秋刀魚幽庵焼」 「酢取茗荷」


お通しですが「根三つ葉煮浸し」が出されると、日本人でよかったなあ、と、つくづく

 


すっかり高級魚の仲間入り「目光


唐揚」


刺身「かつおたたき」  
玉子とじそば
煮物「粕汁」


〆は「木之子そば」


(2018年9月26日水曜日開催)


所長と同年代の鮎川さん。杜氏と3人で「津島屋」を創り上げ、今では自分たちが目指す方向のお酒が再現できるようになってきたと、自信をもって語っていらっしゃいました! それは、0.5度単位のもろみの温度調整で、酵母の特性を引出すワザを習得したからだそうです。今後ますます楽しみ。


ほぼ四季醸造で、たまたま蔵人が1人熱を出されたため、この日は会を21時30分に上がると、車で岐阜までお帰りに。一緒に盃を傾けることはできませんでした。

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