
今月は、
九州から『萬勝』にお越しいただき、古式伝統の搾り手法“はねぎ搾り”の酒を堪能しました。
「吉田屋」は、
長崎県南島原市(世界遺産になった原城跡があることで知られる)で、大正6年に創業。
2017年で100周年を迎えました。
今では、全国でも数える程しか残っていない『はねぎ搾り』で、すべての商品を造っています。槽搾りの一種ではあるのですが、佐瀬式のような電動機械仕立てではなく、木製の太い「はねぎ」の自重と、責めの搾り辺りでは先端に下げる錘で、テコの原理を利用して搾る製法です。
自然の柔らかい圧力で搾りますので、雑味が出ずスッキリとした味が特長です。
また酵母に、花から分離した東京農業大学の花酵母を使用するのも、この蔵の特徴です。撫子やアベリアの自然界の花に棲む酵母は、独特の芳醇な香りと味を醸し出します。
製造量は90石と小さい酒蔵ですが、美味しい日本酒を造る為にこだわり続けています。
造りの時期のお手伝いは別として、楽しい“蔵嫁”の美香さんとほぼ2人のお蔵さん。蔵元は造りの期間で、数Kgもやせてしまうそうです。
だからこそ、応援したいです。
なお、当日は4代目蔵元杜氏 吉田嘉明氏と 蔵嫁美香さんにお越しいただきまき、楽しくお二人を囲みました。
<酒選テーマ>
蔵元を囲む「萬勝(ばんしょう)」 ゲスト:吉田屋4代目蔵元杜氏 吉田嘉明氏 蔵嫁美香さん
【出品酒】(写真左から)
1)清泉石上流 大吟醸 山田錦40%精米 アベリア酵母
2)はねぎ搾り 純米吟醸酒酒 なでしこ酵母
3)ひやおろし 純米吟醸酒 なでしこ酵母
4)ひやおろし 純米酒 つるバラ酵母
5)萬勝 純米吟醸酒 長崎産山田錦60%精米 さくら酵母
6)はねぎ搾り 純米酒 つるバラ酵母
7)萬勝 本醸造酒 日々草酵母
8)清泉石上流 特別純米酒 ひまわり酵母
9)普賢の夢 純米吟醸 さくら酵母
10)参考酒 1)の大吟醸の袋吊り
11)参考酒 純米大吟醸(新酒鑑評会出品酒)
印象に残ったのは
4)の「ひやおろし純米」,常温でいただくと米の力強さを感じつつ、奥から柔らかい香りが立ち上がってきました。
8)の「清泉石上流 特純」も◎,甘い香りが立って、キレのいいお酒です。
そして参考として試飲程度でしたが、10)11)の高級酒は、どちらも美味しゅうございました。
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