第254回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2018年10月24日開催

飲み干した「萬勝」、そして「柏庵」の料理



今月は、
九州から『萬勝』にお越しいただき、古式伝統の搾り手法“はねぎ搾り”の酒を堪能しました。

「吉田屋」は、
長崎県南島原市(世界遺産になった原城跡があることで知られる)で、大正6年に創業。
2017年で100周年を迎えました。
今では、全国でも数える程しか残っていない『はねぎ搾り』で、すべての商品を造っています。槽搾りの一種ではあるのですが、佐瀬式のような電動機械仕立てではなく、木製の太い「はねぎ」の自重と、責めの搾り辺りでは先端に下げる錘で、テコの原理を利用して搾る製法です。
自然の柔らかい圧力で搾りますので、雑味が出ずスッキリとした味が特長です。

また酵母に、花から分離した東京農業大学の花酵母を使用するのも、この蔵の特徴です。撫子やアベリアの自然界の花に棲む酵母は、独特の芳醇な香りと味を醸し出します。

製造量は90石と小さい酒蔵ですが、美味しい日本酒を造る為にこだわり続けています。

造りの時期のお手伝いは別として、楽しい“蔵嫁”の美香さんとほぼ2人のお蔵さん。蔵元は造りの期間で、数Kgもやせてしまうそうです。
だからこそ、応援したいです。


なお、当日は4代目蔵元杜氏 吉田嘉明氏と 蔵嫁美香さんにお越しいただきまき、楽しくお二人を囲みました。



<酒選テーマ>
蔵元を囲む「萬勝(ばんしょう)」 ゲスト:吉田屋4代目蔵元杜氏 吉田嘉明氏 蔵嫁美香さん

【出品酒】(写真左から)


1)清泉石上流 大吟醸 山田錦40%精米 アベリア酵母
2)はねぎ搾り 純米吟醸酒酒 なでしこ酵母
3)ひやおろし 純米吟醸酒 なでしこ酵母
4)ひやおろし 純米酒 つるバラ酵母
5)萬勝 純米吟醸酒 長崎産山田錦60%精米 さくら酵母
6)はねぎ搾り 純米酒 つるバラ酵母
7)萬勝 本醸造酒 日々草酵母
8)清泉石上流 特別純米酒 ひまわり酵母
9)普賢の夢 純米吟醸 さくら酵母
10)参考酒 1)の大吟醸の袋吊り
11)参考酒 純米大吟醸(新酒鑑評会出品酒)


印象に残ったのは
4)の「ひやおろし純米」,常温でいただくと米の力強さを感じつつ、奥から柔らかい香りが立ち上がってきました。
8)の「清泉石上流 特純」も◎,甘い香りが立って、キレのいいお酒です。
そして参考として試飲程度でしたが、10)11)の高級酒は、どちらも美味しゅうございました。



 
 今月の会場は そば・割烹「柏庵 
  


突き出しは、左から「鰆の手毬寿司」 「筋子おろし」 「だし巻き卵」 「芝海老佃煮」 「焼き豚」


「あん肝」


揚げ物「天ぷら盛り合わせ」


お造り「キハダ生鮪」「鯛」「平目」、少し色がついているのが「しめ鯖燻製」

 


焼き物は「鰆」





煮物は記憶が定かではないのですが「海老芋の湯葉あんかけ、岩海苔添え」だったような、、、、  
玉子とじそば
食事はもちろん「手打ちそば」


デザートは「甘酒プリン」。甘酒は吉田屋の手製商品で、賞に輝いたものを使ってもらいました


(2018年10月24日水曜日開催)


4代目蔵元と 蔵嫁。まったく酒造りと関係なかった奥様が蔵の嫁になり、仕事をこなすようになるそのブログは、美香さんの楽しさが出ていて面白いです。
「にっぽんの宝物世界大会2018」で最優秀賞をとった『はねぎちゃんちの甘酒』。瓶の中で麹を6時間かけてじっくりと糖化させる、手作り製法。お土産で1本ずつ、配布しました!


東京でも、もっと取り扱いが増えることを願っています。

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