第255回《1998年1月より》 日本酒と料理を楽しむ会
2018年11月28日開催

飲み干した「大典白菊」、そして「じょう」の料理



今月は、
フォトジェニックな『雲海に浮かぶ備中松山城』ですっかり有名になった
高梁市から『大典白菊』にお越しいただき、岡山の海の幸山の幸に合う酒を堪能しました。

「白菊酒造」(こちらのお蔵はしら「ぎ」くと読むようです)は、
中国山地の大河高梁川の支流が流れる、高梁市成羽(たかはししなりわ)の地に1886年創業と伝えられています。
創業当時より『白菊』銘柄で販売していましたが、昭和初期の全国清酒品評会で優等賞を授与したことから
『大典白菊』としました。
中国山地の中程ですが、河川舟運によって瀬戸内の海の幸にも恵まれてきた、四季美食の地です。
岡山と言えば、酒米雄町のふるさとですが、
当蔵は雄町はもちろんのこと、幻の酒米『白菊』や『造酒錦ミキニシキ』など、なかなかお目にかかれない酒米を多用し醸しています。食米の『朝日』も岡山で多く食べられる米ですが、酒造にも適しており、白菊ではよく使います。

また、仕込み水は高梁川水系の石灰層を通ったミネラルたっぷりの硬水。垂直に切り立つ石灰岩の渓谷美でも有名なこの地ならではの、清らかな水が使われています。

これらを使い醸すのが、備中杜氏。成羽は、備中杜氏の故郷でもあり、当蔵はその技術を継承する代表的な蔵でもあります。
その味をずらりと、とことん味わいました!

なお、当日は蔵元 渡辺秀造 社長にお越しいただき囲ませていただきました。



<酒選テーマ>
蔵元を囲む「大典白菊」 ゲスト:白菊酒造 6代目蔵元 渡辺秀造 社長

【出品酒】(写真左から)


1)大吟醸 しずく酒斗瓶採り
2)純米大吟醸 雄町おりがらみ 生原酒
3)純米酒 白菊米
4)純米吟醸 岡山県産山田錦100% 五五(精米55%) 原酒瓶火入
5)純米吟醸 岡山特産朝日米100% 五五(精米55%) 原酒瓶火入
6)純米吟醸 岡山特産雄町100%  五五(精米55%) 原酒瓶火入
7)純米にごり生酒ウインターボム
8)トリプルA 火入
9)純米 きもと 雄町七十 26BY火入


酒米「白菊」は、たった55粒の種籾から復活栽培したもの。おそらく全国で「白菊」を使うのは、白菊酒造だけ。
2)の「おりがらみ」は生原でもあり、まだ暴れていた感じでしたが、熟成すれば絶対に極上になるお酒でした。
7)の「ウインターボム」は冬季限定の活性酒,不用心に栓を開けると勢いよく噴き出すので「ボム」。ひえ冷えよりも常温でいただくと上がる生酒でした。
8)の「AAA」とは、「朝日」「あけぼの」「あきひかり」の、岡山特産の食米3酒を使って仕込んだ純米酒◎
旨口の酒というよりも、全体的にやや淡麗によった蔵だとの印象でした。会では飲めませんでしたが、普通酒の「原酒蔵出し」はとても濃醇旨口で、これは◎でした。



 
 今月の会場は 「じょう本店」(恵比寿)
  


突き出しっぽく出されたのは、「唐墨チーズのせ」と「塩炒り銀杏」。最初から旨味全開!


「秋刀魚のみりん干し」、真ん中は「小肌の燻製」とても◎


右が「明太子」


お造り、絶品だった「鰤」と「炙りしめ鯖」、「サーモン」、奥に隠れた白身は「スズキ」?

 


ど〜んと「板わさ」は、岡山瀬戸内から取り寄せた、とても高級な蒲鉾。付け合わせはオクラ


「小エビの唐揚げ」は居酒屋っぽくって○


彩りも綺麗な「河豚皮サラダ」、おしゃれ。  
玉子とじそば
熱々の「小鍋」


食事はは「つけうどん」


(2018年11月28日水曜日開催)


6代目蔵元渡辺さん。岡山の酒米雄町は有名だけれど、お酒はまだまだ知られていないと、自嘲気味に。おしゃれな蔵のイメージは、東京でも絶対ウケるとおもいます。

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