第23回 日本酒と割烹料理を楽しむ会 より

「割烹美輪」の創作料理の数々

そして
飲み干した銘酒・希少酒


参加人数が少ないと御利益も。「お刺身てんこ盛り」。この会ではなかなか珍しいです
「アスパラガス」。新鮮そのものの食材だから、さっと湯がいて、シンプルにマヨネーズで頂きました。これぞ、アスパラガス!

(2007年5月30日水曜日開催)
*撮影できなかった料理はごまんとあります。残念!


「割烹美輪」(TEL:03-3364-1308)への

第3回050928開催の料理は  こちら
第4回051026開催の料理は
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第5回051122開催の料理は  こちら
第6回051222開催の料理は  こちら
第7回060125開催の料理は  こちら
第8回060222開催の料理は  こちら
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第11回060531開催の料理は  こちら
第12回060628開催の料理は  こちら
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第20回070228開催の料理は  こちら
第21回070328開催の料理は  こちら
第22回070425開催の料理は  こちら

 



今月のテーマは「山廃の違いを利く」。

山廃とは、正確には「山卸しを廃止した生もと系酒母を使った酒造法」のことです。これでもなかなか分かりません、ネ? 
割と慣れ親しまれてきた「吟醸」とか「純米」「本醸造」という特定名称酒の区別 は、主には原料の違いと精米率で分けていますが、これとはまったく違う側面=製造工程(しかもかなり細かい部分)での分類があります。
日本酒造りの工程を大まかに時間軸で追うと「麹」→「酒母」→「もろみ」→「しぼり」となります。「酒母」とは、糖をアルコールに変える酵母の純粋培養液で、酒造りにはとても重要です。 その「酒母」造りに着目すると、大きく「速醸」造りと「生もと系」造りに分かれます。「速醸」は乳酸菌を添加して素早く雑菌を殺し、酵母を短期間で育てる近代的で一般 的な酒造法と考えればいいでしょう。
対して「生もと系」は、必要な乳酸菌を自然発酵させる伝統的な造りです。乳酸菌を発酵させるのに昔は「山卸し」という、酒米をすりつぶす重労働をしたそうです。しかし近代、物理的にすりつぶす「山卸し」をやめて、酵素を多く含む麹液で 蒸し米を溶かす方法が考えられました。「生もと」で発酵させる点では伝統的な醸造法で、日本酒本来の旨味のある濃厚な味が楽しめます。「山卸し」を廃止したので「山廃」、でも決して「普通 酒」のように手は抜かず、技術と手間のかかるお酒です。 (以上、Webから受け売り)

今回は、それぞれ山廃仕込には、なみなみならぬこだわりを持った蔵ばかりを集めました。石川の天狗舞をベースに菊姫の熟成や、秋田と宮城の山廃の違いを利いてみましょう。すべて純米酒を味わいます。燗の違いも楽しみます。

【今回選酒】(左から)
●「北雪梅酒」(北雪・新潟県佐渡)
 食前酒として、梅酒を頂きました。でもただの梅酒ではありません。日本酒でつけた梅酒です。普通 は焼酎を使いますが、北雪ではこのためにアルコール度数30度の特別な日本酒を作り、佐渡名産の青梅「藤五郎」を使って熟成させたものです。ストレートで飲めますので、それは梅の香りが強く、大満足でした。
●「菊姫 鶴の里 山廃純米酒 限定」(菊姫・石川県鶴来町)         
 山田錦の特AAAを使用 アルコール度数16〜17度でやや高く、無濾過で2年熟成させているので、柔かなでふくらみのある米の旨みと酸味のバランスのよい味わい。兵庫県吉川町の一等米の特AAA山田錦にこだわっています
●「浦霞 山廃特別純米酒」(佐浦・宮城県塩釜市)
  酒米:ササニシキ。精米:53%。アルコール:15度。
  山廃特有のしっかりとした米の旨味と酸味のバランスがよい。酒米の違いによる味わいの違いもある
●「出羽鶴 やまとしずく 山廃純米酒」(秋田清酒・秋田県仙北町)
  有機米の美山錦30%、トヨニシキ70%。精米:60%。アルコール:15〜16度。伝承山廃もと造り。口中で旨みをのせて転がり、程よい酸味とキレ、骨格のしっかりとしたタイプ。
●「鶴齢梅酒」(鶴齢・新潟県魚沼)
 こちらも食前酒で頂いた、日本酒でつけた梅酒です。上品な甘さとコクに大満足。

酒選人)山本和芳/ 日本酒学講師。
「根ワカメにウドとゴボウ、仕上げに山椒の実」。山廃にはピッタリのつまみでした
「すり身の湯葉昆布巻き」。魚のすり身を湯葉で巻いて、さらに昆布で包んだという逸品。写 真映りは悪いですが、今月の傑作!
「ホタルイカと山芋」。旬の食材で、皆さんの評判も上々